みなさんは、ブランドと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
高級品や高品質、憧れというキーワードが浮かんでくるかもしれません。例えば、ファッションならシャネルやイブサンローラン、自動車ならメルセデス・ベンツやレクサスがブランドとして認知されていることでしょう。そして、それはブランデイィングされている状態と言えます。

そもそもブランディングとは? ブランドの価値を高め、顧客や取引先と社会全体に、自社と自社の商品やサービスを「独自のもの」として認識してもらい、他社と差別化を図る取組や活動を言います。(出典:三井住友銀行)
シャネルのブランドイメージは、高級感とクラシックなデザインを持ち、洗練されたファッションとビューティー製品のブランドとして認知されています。自動車のメルセデス・ベンツのブランドイメージは、高品質な車両とエレガンス、快適性、安全性に優れたプレミアムブランドとして認知されています。また、ユニクロもブランドと言えます。シンプルで質の高い衣料をリーズナブルな価格で提供するという「独自のもの」を持っています。ロゴを見たり、ユニクロと聞いたら、誰もが持つ共通したイメージがあります。それがブランディングです。(ちなみにロゴのデザインや視覚的なデザインは、ブランドを司る一部と考えてください。)

 

医院・クリニックのブランディングとは

医院・クリニックのブランディングはどうでしょう?
風邪をひいたら〇〇病院、鼻炎になったら〇〇クリニック、歯医者なら〇〇歯科のように、みなさんがこの医院やクリニックなら安心して通える病院があると思います。また、その時に各医院・クリニックの特徴や良い点など、選択理由もハッキリしているのではないでしょうか?まさにこれが、医院やクリニックのブランドとして認知されている状態に近いと言えます。医院やクリニックにとってのブランディングとは、患者と医師あるいは、医院・クリニックとの信頼関係の構築とも言えます。その先には、選ばれる医院・クリニックとして認知されることへとつながって行きます。

医院・クリニックにおけるデジタル領域でのブランディングは、どうでしょうか?
今や、患者さんの病院選びはウェブサイトからはじまると言っても過言ではありません。デジタル領域でのブランディングは、信頼関係構築の重要な手段の一つとなっています。ここからは、デジタル領域、特にウェブサイトを中心にやるべきことや押さえておきたいことを紹介します。

 

ウェブサイトでのブランディングポイント

明確なメッセージ
ホームページの冒頭や「私たちについて」のページで、医院が果たすべきこと(ミッション)や将来の医療が向かっていく方向(ビジョン)を明確に伝えることや、しっかり考えることが最大のポイントになります。これが、ブランドメッセージとして機能します。
シャネルやメルセデスベンツのようにどんなブランドなのかを示すキーワードが必要です。
例えば、患者中心のケア、最先端の医療技術、コミュニティとの連携など、医院・クリニックの「独自のもの」となるのが理想です。

親しみやすいビジュアルデザイン
温かみのあるデザインを採用し、訪問者がリラックスできる雰囲気を作ります。柔らかい色合いや地域の写真を使用することで、親しみやすさを演出します。
もちろん、最先端の医療技術を特徴とするなら、先進的なイメージを伝えるためのビジュアルを検討する必要があります。あくまで患者の目線が重要なので、尖りすぎない表現や、不安を煽らないことは抑えておきたいポイントです。

 


「安心感」「親近感」をブランドコンセプトにした柔らかなサイトデザイン
出典:ひばりが丘こどもクリニック https://hibari-child.com/

 


「技術力」「先進性」をブランドコンセプトにしたアーバンなサイトデザイン
出典:しんみ⻭科 https://takadanobaba.shinmi-shika.com/

 

パーソナルタッチの強化
医師やスタッフの紹介ページを充実させ、人柄や専門性をアピールします。個々の医師の写真、略歴、治療方針、趣味などを掲載し、患者が安心して相談できるようにします。

オンライン予約と問い合わせ
簡単に診療予約や問い合わせができるシステムを導入し、患者の利便性を高めます。予約システムはシンプルで直感的に使えるものが理想です。

 


医師の診療シーンとメッセージにより患者さんとの信頼感を醸成するサイトデザイン
出典:佐藤歯科医院 https://www.dentist-sato.com/

 

簡単で使いやすいナビゲーション(UX:ユーザーエクスペリエンスの向上)
直感的なナビゲーションとシンプルなデザインを採用し、高齢者やITリテラシーの低い利用者にも優しい設計にします。スマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるように、レスポンシブデザインを採用します。特に高齢者が利用しやすいように、大きなフォントやシンプルなレイアウトを心がけたいです。

SNSの活用
ソーシャルメディア(Facebook、Instagram、Xなど)を活用して、病院の日常やイベント、健康に関する情報を発信します。これにより、コミュニティとのつながりを強化できます。

コンテンツマーケティング
ブログや動画コンテンツを作成し、医療に関する教育的な情報を提供します。専門家による健康アドバイスや病院のサービス紹介などが有効です。

 


スマートフォン中心の設計ながらSNSとの連携、QAや医療情報の充実したコンテンツと個性的で優しい印象を受けるサイトデザイン
出典:東野産婦人科 https://www.toono.or.jp/

 

まとめ

医院・クリニックのブランディングは、患者に安心感と信頼感を与えることが最も重要です。今回はウェブサイトを中心に紹介しましたが、施設のデザインも含めて、一貫したブランドイメージを確立することで、選ばれる病院としての地位を確立することができます。