最近、サンカクカンパニーのデザイナーの間で「自治体・地域型のポータルサイト」のデザインが話題になっています。単なる情報の羅列ではなく、見た目が個性的で思わず見入ってしまうデザインが多くなっている印象です。
「自治体・地域型のポータルサイト」のデザインは、サンカクカンパニーでも制作を行ったことがありますが、要件も様々で、その度ごとに「どうアプローチするのが正解なのか」思案することがありました。
「自治体・地域型のポータルサイト」のWebサイトとは、「行政サービスの発信」「地域住民にイベント等の情報を伝えること」「地域外の方にその地域の魅力を伝えること」を目的としています。
コロナ禍を境に都市部からの移住や地域住民同士の交流促進や地域活性化のサポートを行うWebサイトを目にすることが多くなりました。しかし、その熱量ゆえか、どうしても情報量が多くなり、見づらくなっているWebサイトが散見されます。では、こういった課題をどうクリアすれば良いのでしょうか?
今回は「自治体・地域型のポータルサイト」のWebサイトを制作する時に、見やすくするには、どのようなポイントに気をつけた方が良いのか、世にでている優れたサイトを参考にしながら解説していきます。
自治体・地域型のポータルサイトを見やすくするポイント
1. 誰もが等しく情報にアクセスできるUI・UXに
自治体・地域型のポータルサイトは多くの人が閲覧するので、年齢や障がいの有無に関係なくアクセスできるよう、UI・UXに気を使う必要があります。これにより誰もが使いやすいサイトとなっていきます。もちろん、スマートフォン対応は必須です。
2. 画像(写真やイラスト)を多く使用する
テキストばかりだと読みにくく、少し見ただけで億劫に感じさせます。地域の活気や情景をわかりやすく伝えるためには、魅力的な画像をできるだけ多く使うことが効果的です。まずは、ユーザーが見やすいサイトを目指しましょう。
3. ひと目で地域の良さが伝わるキャッチコピーの作成
その地域の良さがひと目で伝わるキャッチコピーがあると、ユーザーの関心を引くことができます。
これからお見せする参考サイトの「キャッチコピー」にも注目してみてください。
4. ポータルサイトを利用する
ネットにアクセスする際に最初に訪問するホームページ、またはネット上のさまざまなページの入り口となるポータルサイトを利用することで、見やすく、管理もしやすくなります。ユーザー側、運営側双方にとってのメリットになります。
それではサンカクデザイナーがイチ押しの参考サイトをご紹介します。
特徴的なキービジュアルがキャッチーなイベントLP!
ここすき、こすぎ! あつまれ 、こすぎるまちフェス
武蔵小杉「ここすき、こすぎ!あつまれ㋙、こすぎるまちフェス」の公式サイト。
特徴的なデザインとキャラクターが印象的な地域を盛り立てるイベントLPです。
カラフルなデザインだけにとどまらず、キャッチコピーの「ここすき、こすぎ!」も、「小杉」「ここ好き」「濃すぎ」と秀逸な言葉遊びで、デザインに賑やかさを与え、街の個性を引き立てています。「あつまれ」というコンセプトに沿って、ARを使用した体験型イベントや街歩きなどがあり、企画からデザインまでの一貫したブランディングが特徴となっています。
サンカクデザイナー コメント
語感の良いキャッチコピーは思わず口に出してしまいそうで、イベントをみんなで楽しもう!という気持ちや、WELCOMEなポジティブ感がデザインから伝わってきます!
ビジュアル、情報設計を丁寧にまとめた情報サイト!
広島の観光・旅行情報サイト Dive! Hiroshima
広島周辺地域の魅力的な観光・旅行情報をお届けする公式サイト。
こちらのサイトは「3つの観光サイトを1つに統合」して、リニューアルしたものとのことで、情報量も膨大です。
ご覧のように情報量は多い構成とデザインですが、運用面でのシステム設計等かなり考えられており、ヘッドレスCMSを採用することで、その特徴である表示スピードの速さによりあまりストレスを感じさせないサイトになっています。
春夏秋冬の季節ごとにロゴやWebサイト全体の色が変化する仕掛けがあり、季節感を感じられて面白いです。(現在は春なので「ピンク」です)情報をどう見せると読みたくなるのかを考え抜いた、参考になる観光・旅行サイトの代表です。
サンカクデザイナー コメント
膨大な情報を個性的なトンマナにまとめ上げてあります! 充実の内容でこんな観光スポットがあるのかと思わせてくれます。
これから観光に来るユーザーの気持ちを盛り上げるような、情報サイトとしての役割をしっかり担っていると感じます
素敵な写真と情報で伝えたい事が明快なWebサイト!
長野県 ⼆地域居住(デュアルライフ)応援ポータルサイト ニブンノナガノ
長野県 ⼆地域居住(デュアルライフ)応援ポータルサイト。
「二地域居住(デュアルライフ)」と呼ばれる新しいライフスタイルを推進するサイトで、二地域居住(デュアルライフ)の説明から、滞在できるエリアの検索、仕事や移住情報などを欲しい情報をしっかり見ることができます。
写真の撮り方や選び方からも考えられていて、滞在と仕事のリアル感がしっかり伝わってきて、二地域居住(デュアルライフ)をよりイメージしやすい工夫がされています。デザイン上で、所々に親しみのあるシンプルなイラストを使用することで、二地域居住(デュアルライフ)がカジュアルで日常感のある印象になり、それによってテキストだらけにならないサイトになっています。
サンカクデザイナー コメント
「生活」と「仕事」というテーマで、移住の魅力を伝えつつ、ライフスタイルの「きちんとさ」を感じます。
没入型UXデザインが魅せるWebサイト!
島根県美郷町魅力再発見プロジェクト みさとと。
https://www.town.shimane-misato.lg.jp/misatoto/
島根県美郷町の魅力を地域外へPRすることを目的としたWebサイト。
このサイトはスクロールしていくことで世界観を感じることのできる「没入型のUX」デザインを採用しています。
その地域の魅力をどう伝えるか、また、コンパクトな美郷町の個性や特徴を活かすための答えの1つとして、擬似的な体験が可能な「没入型のUX」との相性もよく、インパクトがあり印象に残るWebサイトになっています。個性的なイラストがフワフワと動いていたりと、見ていて飽きさせません。
また、TOPで登場していうるイラストの人物で興味をしっかり掴んでいるので、下層の記事も興味を持って読みたくなる仕掛けになっています。
どうトレンドを活かしデザインしていくのか、とても参考になるサイトの一例です。
サンカクデザイナー コメント
イラストひとつひとつが個性的で、おしゃれなデフォルメ調ですが、こんな方が住んでいるんだろうなと思わせるクオリティ!
そんなイラストをスクロールで使い心地よく見ていけて、イラストとUIが合わさって魅力を発揮しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
上記で紹介したウェブサイト以外にも「渋谷区ポータル」では国外の方も意識して「ユニバーサルデザイン」や「アクセシビリティ」を取り入れ、シンプルかつ誰もが使いやすいデザインを採用しています。
自治体・地域型のポータルサイトは、暮らしの重要な情報を入手することができるだけでなく、地域外の方に地域や自治体の魅力を伝えられる場所です。
情報が見やすくなるよう心掛けつつ、独自のもっている個性や魅力を発揮できるようなデザインを作ることが大切です。
そのデザインの力によって、地域の人々やそこ訪れる人々を巻き込み、活気ある地域社会につながるスケールの大きさが、自治体・地域型のポータルサイトの魅力です。