企業の節目を祝う周年事業は、事業を支えてくれた顧客や社員に向けて感謝を伝えるだけでなく、自社の経営理念や商品・サービスの魅力の発信やリブランディングを通して新たな顧客獲得や、社員のモチベーションアップなどに繋がる重要な事業です。
今回はロゴデザインを例に、周年事業デザインにおけるコンセプトの考え方についてご紹介していきます。企画立案やデザイン依頼をする際の要件定義設定の参考にも役立ててください。
周年ロゴデザインの目的とコンセプトの考え方
周年ロゴデザインは創業年数がひと目で伝わり、実績や信頼がある企業であることはもちろん、企業が目指すビジョンやメッセージを伝えたり、ブランディングの強化、認知度の向上に繋がる重要なツールです。
また、周年サイト、動画、記念冊子、キャンペーンなどに活用されるキーマークとなるデザインであるため、コンセプトや方向性をきちんと設定しておくことが大切になります。
コンセプトの一例は以下になります。
・伝統を伝える
・認知度を高める
・ブランドメッセージを伝える
・ブランディングを強化する
これらのコンセプトが実際にどのようにデザインにしているのか、サンカクカンパニーのデザイナーが作成したロゴサンプルでご紹介します。
1.伝統を伝える
創業年数を強調することで実績・信頼をはじめ、それまで培ってきた伝統や歴史を伝えることができます。事業年数が長い企業は説得力があります。年数だけでは伝わりにくい場合があるため、企業ロゴと組み合わせたりカラーやテイストを合わせて企業のオリジナリティーを表現できると良いかもしれません。
・50周年ロゴ(商業施設)
建物をイメージしたモチーフで50の数字を立体的に表現し伝統や威厳を表現しました。商業施設や店舗でもインパクトのあるキーマークになるようにデザインしています。
・100周年ロゴ(総合商社)
エンブレムのデザインで伝統を表現。トラディショナルなフォントをはじめ、ラインや小さな星、カラーリングで硬派になりすぎず上品な印象になるようにデザインしています。
2.認知度を高める
設立年数の若い企業や特殊な事業を扱っている企業にとって自分たちの事業をアピールする大きなチャンスになります。どういった事業をしているのかが一目でわかるようにすることが大切になります。
・10周年ロゴ(通信事業)
通信事業の中でもエンターテイメントに関する事業を幅広く行っている企業を想定し、10の数字をイラスト の集合でデザイン。カラフルでポップなデザインで企業のフレッシュさ、エンターテイメントの楽しさを表現しています。
・70周年ロゴ(電子事業)
電子事業というワードだけではわかりにくい事業内容を電子回路をモチーフに70の数字をデザインしています。事業のわかりやすさだけでなく、親しみやすさも感じられるものになっています。
3.ブランドメッセージを伝える
周年ロゴは事業の継続年数から実績があることが一目で伝わる為、企業のスローガンやブランドメッセージと組み合わせることで説得力が増します。
ポエティックなメッセージでなくても「未来に向けた向上心」「誠実さや信頼感」など伝えたいキーワードを明確すると良いでしょう。
・20周年ロゴ(金融)
「未来に向けて、さらに誠実に」をテーマにベーシックながらスタイリッシュな曲線やグラデーションで誠実さと先進的な印象にデザインしています。知的なブルーをベースに、安心感のあるグリーンをアクセントにして爽やかなカラーリングです。
・80周年ロゴ(不動産)
「未来への向上心」「お客様と共に」「活力」をテーマに80数字を調和の取れた正円の組み合わせの重なりで構成、活力のあるレッドと下から見上げた建物にフォーカスを当てることで未来への向上心を表現してデザインしています。
4.ブランディングを強化する
ブランドの再アピールはもちろん、これまでの印象を刷新するためにリブランディングをする機会にもなります。ブランドのコンセプトやデザインのトーンを意識して、方向性がずれないようにすることが重要になります。
・30周年ロゴ(化粧品)
華奢な細いラインできめ細やかな肌の繊細さを表現。アクセントにリボンのモチーフとフォントを取り入れて可愛さも組み合わせてデザインしています。
・40周年ロゴ(マスコミ)
テレビのカラーバーの色を組み合わせてマスコミのアクティブさとコミュニケーションの楽しさ、前衛的なクリエイティブさをデザインしています。カラフルながらモダンな印象もあり幅広い世代を意識したデザインです。
・60周年ロゴ(教育)
幼稚園・保育園を想定して親子で楽しめるようにキャラクターと60の数字を組み合わせました。
優しい色合いと手書きのテイストでデザインし安心感やあたたかさが伝わるようにデザインしています。
・90周年ロゴ(エネルギー)
エネルギー事業の中でも水素と自然エネルギーのカラーをタイル状にレイアウトしてデザインしています。古くからある事業の古風な印象を払拭して未来のあるブランドイメージを目指したデザインです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
周年ロゴは節目の年を示すだけでなく、これまで企業が社員や顧客とともに築き上げてきた実績や想いが込められたデザインです。
コンセプト設定では企業のこれまでを振り返り、未来のさらなる発展に向けたビジョンを慎重に考える必要があります。
本記事がコンセプト設定のきっかけになればと幸いです。
周年記念サイトの事例リンク集はこちら↓
https://www.3kaku.co.jp/webpromotion/anniversary